取締役CS本部/経理・管理部部長 渡邊紀宜様
業種：ITサービス業　

企業紹介：飲食店・企業が抱える経営課題を、モバイルオーダー、POSシステム、管理会計システム、テーブルオーダーシステム 等のITシステムを通し解決へと導きます。
トライアル就業内容：機器初動確認・修理品整理

Q1.トライアル就業の利用前はどのような課題を抱えていましたか?
渡邊様:人手が足りない時期にハローワークへ求人を出しても、まったく応募が来ないという状況が続いていました。
当社は「定年制なし」という方針のもと、年齢に関係なく働ける環境を整えています。そのため募集要項にも年齢制限は設けず、「経験を活かして長く働ける職場」としてアピールしていましたが、それでも応募がない。特に経理経験者の募集は反応がなく、求人方法に限界を感じていました。

Q2.本事業に参加されたきっかけを教えてください。
渡邊様:トライアル就業事務局からご連絡をいただいたのがきっかけです。シルバー人材センターは知っていたものの、「屋外作業が中心」というイメージが強く、経理や事務の人材がいるとは思っていませんでした。経理経験者を求める企業に対して、どこまでマッチする人材がいるのか、最初は半信半疑でした。
しかし、話を聞くと一定期間、お試し就業ができるというので、とても魅力を感じました。通常の人材派遣では、契約前に働いてもらうことは難しいので、「実際に合うかどうかを見極められる制度」は企業にとってもありがたい仕組みだと思います。
当社の業務はパソコンや電子機器を扱う作業が多く、年齢層の高い方が慣れているかは実際にやってみないと分かりません。トライアル就業はその点を確認することができると思い利用を決めました。

Q3.トライアル就業を利用されていかがでしたか?
渡邊様:本当によかったと感じています。
トライアル就業事務局の方が職場を見学しながら「この業務にもシニア人材を活かせますよ」と提案してくださり、当初は経理職のトライアル就業依頼を予定していましたが、経理・データ入力・機材の清掃・分解・組立など、想定よりも幅広い職種で受け入れが進みました。実際にトライアルした5名の方全員が継続して勤務中です。
例えばリユース商品の機材清掃を担当する方は、プラスチック加工業に長年携わってきた方で、「この素材にはこの液体が適していますよ」と専門知識を教えてくださいます。私たちがお願いしたいと考えていた仕事内容以上に、製造や素材の知見を持つ方が多く、逆に学ぶ場面も増えました。
経理・データ入力を担当する方々も正確で丁寧。真面目で責任感が強く、任せた仕事をきちんとやり遂げてくださる姿勢に感心しています。トライアル期間中に仕事内容や作業環境を確認できたことで、お互いに安心して契約に進めました。

Q4.シルバー人材活用のメリットを感じるのはどのような点ですか。
渡邊様:まず感じるのは、知識と経験の豊かさです。長年の社会経験を通じて培われたスキルは、若手にはない視点や工夫につながっています。また、非常に誠実で真面目。与えられた時間の中で最大限の成果を出そうとする姿勢が印象的です。

シニアの方には、体調や家庭の事情に合わせて勤務日を調整するなど、柔軟に働いてもらっています。こうした対応が可能なのは、シルバー人材センターのサポートがあるおかげです。

業務分担が進むことで、社員の負担が軽減され、新しい事業や改善活動に時間を使えるようになりました。単に人手不足を補うだけでなく、「企業の新しい挑戦を後押しする力」になっていると感じます。
「70代を超えても、こんなにパワフルで頼もしい方々がいるのか」と驚かされる毎日です。シニア人材は、これからの企業にとって欠かせない戦力だと実感しています。

Q1.現在のお仕事について教えてください。
山下さん:POSシステムの初期化や整備をしています。回収された機器を再出荷できる状態に戻す仕事で、週3日・1日6時間勤務です。自分のペースで働ける環境が整っており、とても働きやすいと感じています。

立石さん:回収された機器の修理品整理の仕事をしています。週4日・1日3〜4時間勤務です。職場の方々は年齢層もさまざまで、同年代の方も多く、みなさんとても親切です。穏やかな雰囲気の中で気持ちよく働けています。

Q2.大田区シルバー人材センターに入会されたきっかけは?
山下さん:化学会社に43年間勤務し、研究開発から営業、安全環境等幅広い業務を経験しました。再雇用を終え、趣味の旅行などを楽しみながら過ごしていましたが、やはり何もしていない時間が長いと物足りなさを感じ、「もう少し社会と関わりながら過ごしたい」という気持ちが強くなったため、再び働くことを決めました。
正社員のようにフルタイムではなく、自分のペースで働ける場所を探していたところ、インターネットでシルバー人材センターを知りました。希望に合った働き方を相談しながら決められる点に魅力を感じ、登録しました。

立石さん:私は友人のすすめで入会しました。長年、損保会社やテレフォンオペレーターなど事務職で働いてきましたが、70歳を迎えた頃に「もう少し社会と関わっていたい」という思いがありました。
趣味で習っているクラシックバレエも楽しみながらバランスよく働きたいと思っていたので、友人から「自分のペースで働けていいわよ」と聞き、すぐに登録を決めました。

Q3.トライアル就業を経験されてどうでしたか?
山下さん:トライアル期間中は、実際の作業を体験しながら仕事内容を理解できたので安心感がありました。自分のペースや得意分野と合っているかを確認でき、職場の雰囲気も知ることができました。
上司の方は明るく、教え方がとても丁寧で、分からないことも気軽に聞けます。機械を扱う作業はもともと好きなので、毎日新しい発見があって楽しく働けています。

立石さん:仕事の依頼を受けたときは「これならできそう」と思いましたが、実際に働いてみないと分からない部分もありました。トライアル期間で職場の雰囲気を確認できたことが何より大きかったです。
実際に現場に入ってみて、思っていた以上に働きやすく、スタッフの方々も温かく接してくださるので安心しました。トライアル制度があることで、実際に働きながら自分に合う職場を確かめられるのが心強かったです。

Q4.今後の働き方については、どのようにお考えですか?
山下さん:今の仕事は自分の生活リズムに合っており、日々の生活にハリが生まれました。旅行が好きで、地方のローカル線を巡るのが目標なので、働きながら趣味も楽しんでいきたいです。仕事を通じて社会とのつながりを感じられることが、いまの生きがいになっています。

立石さん:この仕事は新しい挑戦でしたが、楽しく働かせてもらっています。外に出て人と話すことで刺激も得られますし、家族も「外で働くのはいいこと」と応援してくれています。健康でいる限り、今の職場でできる限り長く働き続けたいと思っています。